第10回「個人心理学会会員の集い」

テーマ:アドラー心理臨床の実践「私はこのようにやっています」

話題提供者:佐々木 誠さん(岩手大学)

司会:八巻 秀(駒澤大学・SYプラクティス)

参加者:33名

 第10回の会員の集いは、10月9日(日)10時〜12時に、オンラインで開催されました。参加者は33名でした。
「アドラー心理臨床の実践〜私はこうやっている」と題して、岩手大学の佐々木誠先生に話題提供していただきました。
 一つの事例を最初から最後まで描くのではなく、「ビネット」という事例の一場面を描くという形式で、4つのビネットを通して、佐々木先生のアドラー心理臨床実践を提示していただきました。
 佐々木先生と司会者との対話や、チャットによる質疑応答などで、参加者の学びがより広がったのではないかと思います。
以下にお二人の参加者からの感想をお示しします。


アンケート|

  • 今回初めて会員のつどいに参加させていただきました。佐々木先生にビネットという手法で事例を発表いただき、ライブで面接の一場面を直接拝見しているような感じであっという間の2時間でした。「課題の分担」の共同の課題の遂行の仕方については「人にものを頼むときはコンピュータプログラム並みに考えないと動かない」という言葉や「何を持っているか?からのどう使えるか」の持っていきかた、「評価」ではなく「レシート」を渡す。「人間は見たいように物を見る」八巻先生との佐々木先生の振り返りのワードがどれも心に刺さってメモを取りまくりました。 佐々木先生はアドラーの考え方がもう出汁になっていて発想のベクトルがそうなってるそうです。私は、水平の関係での言葉がけがカウンセリングの場では出ても、日常では我慢してため込むというライフスタイルでそれを直したいと思ってこの世界に飛び込んだのでまだまだこれからです。佐々木先生が学校に勤めてらした時の学年長の先生が、学校は物差しが少ないから「子どもを生かすための場所」を作るためにいろいろな行事を企画されたというのにとても同感です。私も学校に勤めていた時は、同じ考えで企画魔になっていました。子どもが生かされる学校が増えてほしいと強く願っています。貴重な研修をありがとうございました。

(岡山県 高田 様)

  • 「人と話せるようになりたいが、どうしたら話せるようになるか」のビネットでは、瞬発的に「今の若者の答えを求める傾向」が脳裏に浮かびました。そこには、私自身の「答えを出したいライフスタイル」が映っており、真に傾聴・共感できていなかった自分に気づき、はっとし、そして少し凹みました。そのため、佐々木先生の「勇気がくじかれているのか、本当にわからないのか、の2パターンを想定し、両方に利くように関わる」という部分が、とても有難く響きました。「長期戦になることを恐れない姿勢」、「おそるおそるの態度」など多くの気づきを得ることができ大変勉強になりました。 また、嫌な凹みではなかったことも自身の変化を感じられた驚きの1つです。佐々木先生と八巻先生との掛け合いをお聞きしながら、今日はそんな自分をほめたいと思いました。 受講後の今、瞬発力を弱める必要性とその結果広がる可能性を自身に感じています。 貴重なお話をありがとうございました。

(熊本県 山口 様)

 高田様、山口様、感想をありがとうございました。

 なお、次回の会員の集いは、2023年1月15日(日)10時~12時にオンラインで開催します。来年3月に開催される個人心理学会第3回大会の大会長の深沢孝之先生(心理臨床オフィス・ルーエ)にお話ししていただく予定です。

当日配布資料|

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(会員限定)開封にはパスワードが必要です
22-10-9 佐々木先生の資料(会員の集い).pdf
PDFファイル 6.9 MB

 今回の会員の集いは、会員の岩手大学の佐々木誠さんに「事例を使って話題提供」していただきながら、「アドラー心理学を心理臨床実践にどう活かすか」ということについて、参加者の皆さんと対話できればと企画してみました。
もともとアドラーは精神科医であり、その診療の腕前は、ウィーンでも評判になるほどであったと言われていました。そのような臨床実践から生まれてきた心理学ですから、現代においてもアドラー心理学による心理臨床実践についての検討を続けることは必要不可欠だと思います。
 この会員の集いはご存じの通りオンラインで開催していますので、事例をそのまま提示するのは難しいでしょう。そこで今回は「事例の一場面(ビネット)」をいくつか提示していただきながら、アドラー心理学による臨床実践について検討してみたいと思います。臨床実践やそこから得られる知見に興味関心のある会員の皆さん、どうぞ奮ってご参加ください。

日時:2022年10月9日(日)10時〜12時

オンライン(Zoom)による開催

参加費:無料

 

日本個人心理学会の会員であれば、どなたでも参加できます。ただし年会費納入済であることが条件となります。

 

参加を希望される方は、学会事務局までメールで参加の申し込み(氏名・会員番号を記載のこと)をお願いします。折り返し、当日のURLなどについてご案内を差し上げます。