日本個人心理学会は2019年の3月3日に総会を開き設立されました。 同日、2011年に発足して9年に及んだ日本臨床・教育アドラー心理学研究会は、日本個人心理学会に向けて発展的に解散しました。
日本個人心理学会の第一回大会は、東京オリンピックの年である2020年3月に開催します。
本学会はアドラー心理学を軸として人々が集う学術研究の場です。学会という横のつながりに多くの個人やチームが参加し、互いに相互協力や切磋琢磨をしながら日本におけるアドラー心理学の発展を目指していきます。
日本個人心理学会はアドラー心理学を研究する学術団体です。心理学として科学的検証に耐えうる研究を積み重ねていくものです。アドラー心理学は世界各地での長年の実践を積み重ねてきていますが、その独自の概念や手法を裏打ちする実証的研究の蓄積が望まれます。
同時に、個人心理学は各領域におけるカウンセリング(サイコセラピー)を探求していきます。これは社会に貢献する実践的な学問として、アドラー心理学が作り上げてきた系譜を受け継ぎ、充実した心と生活の在り方を希求していきます。
また、日本の教育界にもアドラー心理学の実践者が多くいます。アドラー心理学のためというよりは、広く教育において活用できる基礎的なメソッドのひとつとして普及することこそが大切です。
さらに、個人心理学は多様性の時代において医学、福祉、家族、地域、ビジネスなどの多様な学問や領域と協働していきます。これは対人関係や対人援助の学問として、市民生活を豊かにしていく支援を広げるものです。
加えて、アドラー心理学は教育や哲学や思想もその範疇にあります。紛争解決や幸福論など生き方や人生にまつわる諸問題にも関わってきた特色をアドラー心理学は深めていきます。 このように多様な局面を持つ社会的かつ統合的な個人心理学の礎をアドラーは創りました。そのあり方は当初から一貫しており、現代においても学ぶべきことが多い役立つ心理学です。
日本個人心理学会は、日本におけるアドラー心理学の学習者の共同体として、このような研究と実践の場を展開する役割を担っていこうとするものです。
皆様の暖かいご理解・ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。