第7回「個人心理学会会員の集い」

テーマ「課題の分離・分担を巡って~子が大人になってからの親子関係~」

2021年8月15日 オンラインにて開催

参加者:31名

 

今回の会員の集いは課題の分離・分担について、大人になってからの親子関係を通して熊野栄一さん、鶴田恵美子さんと、司会進行の久保田将大さんの3人の鼎談で進められました。 また、参加者によるディスカッションも活発に行われ、意外と盲点であった「大人になってからの親子関係」の難しさにあらためて気づかされました。


アンケート|

・いろいろな意見や考え、エピソードを聞けて良かったです。やはり共感、横の関係が大事なのだと改めて実感しました。自分の子供との関係についてあらためて気づき、実践していけたらと思いました。


・とても有意義な時間でした。自分自身の親子関係を振り返ることが出来ました。 共感に始まり共感で終わる・・・大事な事ですよね。 今後共ご一緒に学ばせていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。


・アドラーの学習だけでなく、自分の日常の言行を見つめ直すきっかけにもなりました。ありがとうございました。


・勉強になりました。今回のテーマは「課題の分離」でしたが、その他の課題でも、「相手に関心を持つ」というところからスタートするということが、今回も確認できました。

 

・いろいろな連想がわきました。


・課題の分離をもとに主に親子関係における自立について様々な意見や体験が聞けて自分の家族などを振り返る機会になりました。二つだけ内容に入ると、鶴田先生の感情までいかない情動レベルで、というところからは、アサーション以前にまず自分の感情に気づくこと、そこから自分の言動を振り返ることが人間関係をそして人生を充実させていくうえで必要と認識できました。カウンセリングはまさにそれをしている営みなのだろうとも思いました。また、飯岡さんのエピソードでは、自分と相手が違う人間であること、相手を別の主体として認めていること、純粋に好奇心の対象であることなどが含まれている関わりに見えました。子どもにとって親に関心を持たれていることはまさに勇気づけですね。


・鶴田先生、熊野さんを始め、沢山の方の意見等お話がお伺い出来たので、 大変良かったです。


・学会の会員の集いにはじめて参加させていただきました。対話の時間が多く、学びと気づきに溢れた時間でした。また、スピーカーが鶴田先生、熊野さんとお二人とも存じ上げていること、司会の久保田様はじめみなさまが作り出される雰囲気が受容的であったため、自分にとってはややハードルの高い場であっても稚拙ながら感想を述べさせていただくことができました。ありがとうございました。


・熊野さん、鶴田さん、司会の久保田さん、大変貴重なお話をありがとうございました。 「自分の”心配”をどう取り扱うか」というフレーズが一番印象に残っています。 このことはまさしく課題の分離・分担のように思います。 私自身の親子関係でも、職務の中で出会う親子の間でも、このことがとても重要なテーマではないかと皆さんのお話を聞きながら振り返っていく中で痛感いたしました。 自分に関することをどこまで打ち明けるのか(そして心配させるのか)ということを調整するのは親も子比較的やりやすいと思うのですが、相手へ向ける心配の調整(伝えるかどうかの表出も含め)は親の方が難しいのではないかと考えます。 個人的な親への想いとしては… 親に心配をかけたくない一方で、 コロナ禍で1年半以上帰省できていない中、実家に帰って”子ども”として甘えたい・甘やかしてほしいという気持ちが膨らんでいる今日この頃です。 今日の集いで皆さんのお話を伺っていく中で、何かこみ上げてくるものがありました。 久しぶりに親と沢山語りたい気持ちになりました。


・課題の分離について、子ども目線、親目線での話があり、その違いについて、子ども目線=親に求める気持ちが強い、ということを知れてよかった。鶴田さんの親の小さいころからの話を一晩聞いた、というのはすごいことだと思う。そのような関わり方があるということを知れて良かった。ただ、これは親子関係にある程度の健全さがあってできることではあり、不健全な関係の場合はまず身を守るために課題の分離をする、などの目標が必要だと思った。


・考え尽くした感のある「課題の分離」ですが、大人になった子どもという視点からはしっかり考えたことがありませんでした。自分の親が生きているうちにこの機会があったら、関わりをもっと楽に改善できたと思います。大変有意義でした。


・それぞれがそれぞれの立場で気づかされることが多かった。アドラー心理学が、さまざまな心理的な問題についての


・親子の在り方について考えられた。今後の息子との向き合い方のヒントになりました。 私は大学などできちんと学んだわけではなく、そういうお仕事をしているのでもなく、息子をどう育てればよいのかという全く個人的なことからアドラー心理学に出会いました。 幸い会員となることをお許しいただきましたが、専門的な研修は敷居が高く、なかなか申し込めず、幽霊会員になってしまう…と思っておりました。 ところが今回のテーマは、まさに今直面していること。迷わず参加を決めました。 久しぶりのアドラーの集い、本当に楽しかったです。 息子がひとり暮らしを始め、日々のアドラー修行から少し離れておりましたが、もう一度学び直したいと思います。 懐かしい先生方のお元気なお顔を拝見し、とても嬉しく、またお会いしてお話を伺いたいと思いました。 みなさまのお話はとてもわかりやすく、思うことをことばにする力の大切さも感じました。 どうもありがとうございました。


・こういった会には初めての参加で、緊張しましたが、皆様の温かい空気のおかげで安心して、受講できました。 課題の分離・分担というよりは、なぜ人の課題に入り込もうとするのかという面のお話だったかと感じました。不安や心配、寂しさとい第一感情の表出の仕方で課題の分離になるのかお節介になるのかの違いになると感じました。 皆様のお話を聞いて、これまでの理論や実践が明確に言語化できました。ありがとうございました。


・課題の分離について学びが深まりました。 子供のことを心配してあげているという母性の発揮を美徳とする文化であるからこそ、課題の分離の必要性が生まれたことを知ることができ、課題の分離を学校現場にどのように取り入れていくかについてじっくりと考えていくことのできた時間でした。 たくさんの貴重なお話をありがとうございました。


・親子関係も詰まるところ「横の関係」になければ勇気づけにはつながらないのではないでしょうか。一般的に養育者であるうち、それを意識しているうちは、「縦の関係」であるので勇気づけは難しくなります。親子も年齢にかかわらず「人と人として横の関係」に立つと勇気づけも容易になると考えます。そういった横の関係性になることで、お互いの成長につながると考えます。親子の分離分担は、各家族様々であり、一つの解は無いと思います。しかし、親も子も人として成長するためには、お互いが横の関係性で居ることが重要だと考えます。


・今日のようなプログラムは、とても学びと気づきが多く有難い機会だと思いました。
・ファシリテーターが複数いて、進行がむずかしそうであった


概要

鼎談 (40分)

会員 熊野栄一さん × 鶴田恵美子さん + 司会・進行 久保田将大

参加者によるディスカッション (60分)

 

 アドラー心理学では、様々な関係性の中で課題の分離・分担を意識することが有用であることが言われています。特に子育てにおいて着目されることは多いように思います。ただし、子どもはいつまでも『子ども』ではありません。月日の経過の中で、身体的心理的成熟に達し自立した子どもと親との関係性においても課題の分離・分担は意識されるところではないでしょうか?そうした親子関係も重要な人生課題として捉え、そうした関係性の中で、課題の分離・分担をはじめ、アドラー心理学をどのように意識するのか会員の皆様と意見を交わせればと思います。