および 総会(総会は個人心理学会会員のみ)
アドラー心理学では、共同体感覚という言葉が用いられます。共同体感覚とは、所属感、貢献感、信頼感、自己受容という4つの感覚からなり、他者とのつながりがあるという感覚、自分はコミュニティ(共同体)の一員であるという感覚のことを示しています。
10年以上前から注目されるようになってきたオープンダイアローグは、家族療法を起源としています。家族療法では、システム論という考え方を用い、問題や症状と呼ばれるものをコミュニケーションの相互作用によって維持されていると考えます。それをさらに拡張させ、社会的なネットワークを含む関係性の中でみんなが協働し、言語·非言語での対話を継続していくことが、精神的なクライシス(危機状態)にある人の回復へとつながるということを示してきた対話的実践の形こそがオープンダイアローグです。
このオープンダイアローグのあり方は、アドラー心理学と通底するものがあると考えられています(八巻,2024)。本研修会では、オープンダイアローグとアドラー心理学の共通部分を見出し、アドラー心理学の中でいかにオープンダイアローグの哲学や実践が応用できるかについて皆様と検討し、協働的な場を形作ることへの一歩をとなればと思います。
実践報告
ビジネス・教育・臨床の各分野で、アドラー心理学を生かしている実践の発表があります。アドラー心理学を生かした実践を実践者本人から3本ご紹介する予定です。登壇者は臨床、教育、ビジネスの各分野よりお一人ずつを予定しています。
総会
ランチョン形式、個人心理学会会員のみの参加です。昼食のお弁当を用意いたします。
【講師紹介】
一般社団法人 国際心理支援協会 代表理事
浅井 伸彦 先生
臨床心理士·公認心理師として、教育·福祉·地域での心理支援および人材育成に取り組まれています。特に、オープンダイアローグや家族療法の視点から、対話的かつ協働的な支援モデルの構築に力を注いでおられます。故·八巻秀先生とともに、アドラー心理学の精神を引き継ぎながら、その実践を次の段階へと発展させてきました。
著書に『はじめての家族療法ークライエントとその関係者を支援するすべての人ヘー』(北大路書房)、『あたらしい日本の心理療法––臨床知の発見と一般化』(遠見書房)、『はじめてのオープンダイアローグー対話がもたらす回復のカー』(北大路書房)などがあります。
【実践報告】
◆金井 津美(アドラー・コミュニケーション研究所 プリンシパル)
産業(ビジネス)分野におけるアドラー心理学の実践を報告します。アドラー・コミュニケーション研究所は、私が仲間と共に2023年に設立した団体です。本報告では、アドラーの「私の心理学は専門家のためではなく、一般の人々のためのもの」という言葉を道しるべに、“実学としてのオーセンティックなアドラー心理学”を社会に届けたいという、設立の志と背景をお話しします。私たちが目指すのは、社会に生きる人が自分を大切にし、仲間を信頼して協働する喜びを感じ、小さくても社会の役に立っている手ごたえを得られること。学びを知識に閉じず「活かして・広げて・つながる」ことを重視し、初級(eラーニング)→中級(実践知の獲得)→上級(プロ講師認定)へと、社会人が段階的に学べる場を整えています。
企業研修では、アドラー心理学を職場の対話やマネジメントにどう落とし込み、関係性と成果の両立につなげているかを、実践例と参加者の反応を交えて報告します。さらに、共同体感覚を遊びながら体感できるカードゲーム(Life with Social Interest)について、2年にわたる開発秘話と製作者の想い、ワークショップや企業研修での活用、体験者の様子や変化もお届けします。加えて、日本選択理論心理学会での特別講演・カウンセリングロールプレイ登壇時の反応と、私自身の発見も共有する予定です。短い時間ではありますが、現場で起きている「変化」を持ち帰っていただける機会になれば幸いです。
◆橋本江利子 菊地典子 (千村クリニック)
「精神科クリニックにおける、アドラー派カウンセラーの実践発表(仮)」
精神科クリニックという「医療モデル」主流の現場で、「教育モデル」であるアドラーカウンセリングの実践の様子、10年以上続けてきての所感をお伝えします。内容としては、患者の見立てと介入、うまくいったケースの紹介、陥りがちな失敗などを共有したく思います。(橋本)
私の勤務する千村クリニック(心療内科・精神科)では週3日90分のリワークセミナーを開催しており、そのうちの1日を担当しています。リワークセミナーのプログラム作成にあたり、患者さんの参加目的や、千村クリニックが期待する役割を念頭に置いています。参加者は職場を休職中、離職した方々が多く、これまで所属していた共同体からいったん離れて、羽を休めている状態と言えるかもしれません。まず、安心・安全の場づくりを心掛けています。そして、再び飛び立つためには自分を尊敬・信頼するまなざしが不可欠であると考えます。そのためにプログラムの中でアドラー心理学をどのように活用しているのかをご紹介します。実践発表というブラッシュアップの機会をいただき感謝申し上げます。(菊池)
◆大河 千賀子(ヒューマン・ギルド)
本発表では、Positive Discipline(以下PD)のファシリテーターである発表者が、アメリカで開発されたアドレリアン・プレイセラピー(FECT)パイロットプログラムを受講し、その学びを自分の子どもとの関わりの中で実践した体験を振り返り、報告します。
日本においてアドラー心理学は、子育てや教育の文脈で「マインド」や「姿勢」として語られることが多い一方、日常場面においてどのような具体的関わりが可能なのかについては、実践者個人の試行錯誤に委ねられている現状があるという課題感を抱いていました。本発表では、FECTで学んだ視点を軸に、PDの理論や考え方、4つのCや気質理解といった枠組みを踏まえながら、遊びを媒介とした関わりのプロセスと、その中で生じた子どもおよび親子関係の変化について一事例を通して提示します。具体的な対応や声かけを紹介することが実践の入口となる一方で、関係性の文脈を離れると技術の操作化に陥る可能性についても検討します。具体的な関わりは「答え」を与えるものではなく、関係性の中で何を選択するかを問い続けるための材料として位置づけられる必要があると考えます。そこで本事例を通して、技術とマインドの間で揺れながら実践することの可能性と限界について考察します。
●日程
9:00~11:30 実践報告
11:45~12:45 総会
13:00~16:00 研修会
●参加費 どなたでも参加できます。
| 会員 | 非会員 | 学生会員 | |
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事前 予約 |
6000円 | 8000円 | 4000円 |
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当日 参加 |
10000円 | 10000円 | 4000円 |
※学校心理士資格更新 B-1のポイント対象研修会
◆参加事前申込締切:3月8日(日)
当日の支払方法は現金のみ
申込・決済フォーム(Payvent)よりお申し込みください。
キャンセル|
やむを得ずキャンセルされる場合は3/8までに事務局へご一報ください。
【キャンセルを伴う返金期日:3月8日(日)】
システム手数料6%を引いた差額
※銀行振込の場合は、 6%+振込手数料330円